「頭皮が赤くなってしまった」「頭がかゆい」「フケが気になる」と悩んでいませんか?
頭皮の炎症にはいくつか種類があり、それぞれの原因に合わせた対処をしなければ、炎症をさらに悪化させる可能性もあるため注意が必要です。そのため、なるべく早く皮膚科に行くことをおすすめします。
このページでは育毛アドバイザーとして1000人を超える髪に悩む方にアドバイスを送ってきた筆者が、頭皮の炎症について下記の流れで紹介していきます。
- 頭皮の炎症は放置厳禁!
- 頭皮の炎症の3つの種類
- 「接触性皮膚炎」の原因と対処法
- 「アレルギー性皮膚炎」の原因と対処法
- 「脂漏性皮膚炎」の原因と対処法
- 「乾燥性皮膚炎」の原因と対処法
- 「アトピー性皮膚炎」の原因と対処法
このページを読んで頂くことで、頭皮の炎症について知識がつき、正しい対策をとれるようになるでしょう。
1. 頭皮の炎症は放置厳禁!
頭皮は髪を健やかに育てる土壌のようなもの。性別問わず、いつまでも髪は綺麗に維持したいですよね。
頭皮の炎症は危険な兆候です。放置しておくと、フケや抜け毛などにも繋がる可能性があり、一刻も早く対処することをおすすめします。
頭皮の炎症により、刺激を受けやすくなってしまい、その結果として、フケ・脱毛・悪臭などに繋がってしまう恐れがあります。
頭皮の炎症について悩みを抱える人の口コミ
頭皮の炎症が起こり、悩んでいる人はあなただけではありません。
下記のように、頭皮の炎症が気になり、病院に行って少しは改善できる人もおられますが、病院には行かずそのまま放置している人もいます。
ひどい場合、病院に行ったとしても、頭皮の悩みが長期化することもあるので、なるべくはやく皮膚科に行くことをおすすめします。
2. 頭皮の炎症の5つの種類
気づかないうちに、頭皮に炎症が起こっていることもよくありますが、頭皮にかゆみやフケなどが発生している場合は、考えているよりずっと治りにくい状態になっている可能性もあるため注意が必要です。
実は頭皮の炎症は下記のように複数ありますが、見分けるのが難しいです。
頭皮で特に多いのは脂漏性皮膚炎と乾燥性皮膚炎ですが、一旦は順番にみていき、なるべく早く皮膚科に行きましょう。
それぞれの炎症と原因について見ていきましょう。
炎症種類 | 症状 | 原因 |
接触性皮膚炎 |
| 皮膚に接触することで生じる |
アレルギー性皮膚炎 |
| 特定の物質にアレルギー体質を持っている場合に生じる |
脂漏性皮膚炎 |
| 皮脂の過剰分泌 |
乾燥性皮膚炎 |
| 皮脂量が少ないこと、皮膚の乾燥 |
アトピー性皮膚炎 |
| 免疫の過剰反応 |
表で示したように、頭皮の炎症は接触性皮膚炎、アレルギー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、乾燥性皮膚炎の5種類に大別されます。
以下の章でそれぞれの原因と対策を詳しく紹介していきます。
3. 「接触性皮膚炎」の原因と対処法
刺激性皮膚炎は、何らかの刺激が頭皮に加わることで引き起こされる炎症で、赤い湿疹やプックリと盛り上がった丘疹、水膨れのような水泡などの症状が出ます。
接触性皮膚炎は化学的な物質の刺激によって引き起こされます。
3-1. 接触性皮膚炎の原因
刺激性皮膚炎の原因となりえるのはシャンプー、トリートメント、カラーリング剤、パーマ剤、育毛剤、整髪料、化粧水、オイルなどがあげられます。
また、頭を洗った際にこれらの化学物質が洗い流されずに残った場合、その部分が炎症を起こしてしまうようなケースが考えられます。
下記の図は皮膚表面をアレルゲンや化学物質、細菌が攻撃し引き起こす炎症を表しています。
3-2. 接触性皮膚炎の対処法
接触性皮膚炎の場合は何かが皮膚に接触することで炎症が起こっているため、原因となる刺激物質を取り除くことで改善できる可能性があります。
最近のあなたの行動を思い返してみて、下記に挙げた項目の中に思い当たる節はありませんか?
- シャンプー、トリートメント、育毛剤、整髪剤、化粧水、オイルなど、最近新しく使いはじめた
- 最近、頭を洗った際にシャンプーやトリートメントのすすぎが足りなかった気がする
- 最近、パーマやヘアカラーをした
aや他の原因がある場合は、以前使っていたものに戻したり使うものを変えれば改善する場合がありますし、bの場合も、頭のすすぎ洗いを入念に行うことで改善する可能性は十分にあります。
また、cが原因の場合でも1週間〜2週間程度で自然に治る可能性もあります。
しかし、症状が改善しない場合、原因がわからない場合は、皮膚科の診療を受けましょう。
4. 「アレルギー性皮膚炎」の原因と対処法
何らかのアレルギー体質を持っていた場合、湿疹や炎症、かゆみなどを引き起こします。
その場合に考えられる原因と対処法について解説していきます。
4-1. アレルギー性皮膚炎の原因
アレルギー性皮膚炎は、下記のような特定の物質にアレルギー体質を持っている場合に生じる炎症です。
金属、花粉、ハウスダスト、植物(漆など)、虫、動物、食品(たまご、もも、甲殻類) など
接触性皮膚炎の場合は、頭皮に触れることが条件になるので、まだ原因に目星をつけやすいですが、アレルギー性皮膚炎の場合は、食事として体内に取り組んだり、空気や水など様々な原因が考えられます。
4-2. アレルギー性皮膚炎の対処法
軽度な症状であれば心配しすぎる必要はありませんが、原因を突き止めるのは難しいです。
そのためなるべくはやく皮膚科に行って、何がアレルゲンになりえるのかきちんと検査をしてもらうことをおすすめします。
5. 「脂漏性皮膚炎」の原因と対処法
脂漏性皮膚炎は赤い湿疹やかゆみ、大きなフケなどの症状が出るのが特徴です。
主に頭皮から分泌される皮脂が原因となるものです。
皮脂によって、皮膚表面のバリア機能が弱まることで頭皮環境が乱れ、外部からの刺激を受けやすくなり、炎症が起こりやすくなります
下記の図は皮脂と菌による皮脂の分解のバランスが取れた状態です。
頭皮は皮脂を分泌し、皮膚表面に存在するマラセチア菌に分解されることで酸化脂肪酸となり、さらに他の菌で分解されることで、さまざまな刺激から皮膚を守るバリアの役割を果たしています。
脂漏性皮膚炎により毛根が刺激され脱毛を引き起こす、脂漏性脱毛症を引き起こすリスクもあるため、なるべく早く対処をしましょう。
5-1. 脂漏性皮膚炎の原因
脂漏性皮膚炎の主な原因は皮脂です。
皮脂が多く分泌されたり、脂漏性皮膚炎を引き起こす原因となるものは主に以下の3つです。
- 食生活・生活週間
- ホルモンバランスの乱れ
- 皮脂の洗い残し
油っぽい食事などが原因で、油分を排出するために頭皮の皮脂量が多くなったり、睡眠不足やストレスなどが原因でホルモンバランスが崩れることによって、皮脂が過剰に分泌されることもあります。
また、皮脂が多い人などは皮脂の洗い残しなどが原因で炎症を起こしている可能性もあります。
参考:下記の図は皮脂の過剰分泌による炎症や乾燥の様子を表したものです。
5-2. 脂漏性皮膚炎の対処法
脂漏性皮膚炎かどうかは判断は難しいため皮膚科に行くのがベストですが、下記のような対策もありますので、皮膚科に行きたくない人は試してみましょう。
- 頭皮の皮脂をしっかりと洗い流す
- 生活習慣を整える
- シャンプーを変える
① 頭皮の皮脂をしっかりと洗い流す
脂漏性皮膚炎は頭皮の皮脂の洗い残しなどが原因とも言われています。シャンプーでしっかりと皮脂を落とし、すすぐことが重要です。
皮脂が多い方は、頭皮用のオイルを使って皮脂や汚れを浮かし、シャンプーをすることでさらに洗浄効果を高めることができます。(ホホバオイルなどがおすすめです。)
ただし、通常のシャンプーでも十分に洗浄力が強いので、爪を立てないように注意しながら、しっかりと泡だてて、頭皮を洗うことが重要です。
頭皮用オイルの塗り方
- 手にオイルを出します。
- 指の腹を使って髪をかきあげたり、かき分けるように塗っていきます。
- 全体に塗りこんだら5〜10分時間をおきます。
- 皮脂や汚れを浮かしたらシャンプーをしてしっかり洗い流します。
- すすぎは普段の2〜3倍くらいの時間をかけてしっかりとすすぎましょう。
② 生活習慣を整える
皮脂の過剰分泌は、下記のような生活習慣が原因の場合が多いのも事実です。
- 高カロリーな食事
- 睡眠不足
- ストレス解消
高カロリーな食事を控えたり、睡眠不足を解消、休息を取ることで改善する可能性があります。
もし、生活習慣に気になるポイントがある方は、少しでもいいので改善してみると頭皮の悩みも改善に向かうかもしれません。
③ シャンプーを変える
脂漏性皮膚炎を発症しているような場合や、皮脂の多い人は、洗浄力が強めだけれども、低刺激のシャンプーを使うと良いでしょう。
『KADASON』のような皮脂が多い人向けのシャンプーもあります。炎症を抑えるための成分も入っているので、試してみても良いでしょう。
6. 「乾燥性皮膚炎」の主な原因と対処法
乾燥性皮膚炎は頭皮が乾燥してかゆみを感じたり、白い粉のような細かいフケなどの症状があります。
また、皮膚のバリア機能が非常に弱っているため、シャンプーや整髪剤にヒリヒリした感覚を感じるかもしれません。
6-1.乾燥性皮膚炎の原因
乾燥性皮膚炎の根本の原因は頭皮のバリア機能の低下です。
下記のようなものが原因で、頭皮のバリア機能が弱まり、乾燥しやすくなることで乾燥性皮膚炎が引き起こされます。
- 皮脂の洗い流しすぎ
- 空気の乾燥
- 加齢による皮脂量の低下
6-2.乾燥性皮膚炎の対処法
頭皮の乾燥の原因は頭皮のバリア機能の低下がポイントになります。
日常生活では、頭皮のバリア機能を低下させたり、頭皮にダメージを及ぼすさまざまな場面があります。
頭皮を乾燥させないための対策を下記に7つ挙げましたので、順番に見ていきましょう。
- 頭の洗い方を見直す
- アミノ酸シャンプーを使う
- ドライヤーを正しく使う
- 化粧水で保湿をする
- 紫外線対策をする
- 体を動かす
- 食生活を正す
① 頭の洗い方を見直す(皮脂を落としすぎの場合)
頭皮の脂や汚れはお湯ですすぐだけでも7割〜8割は落ちると言われています。
そして、ほとんどの人は洗浄力の強いシャンプーを使っているため、強く洗い過ぎることもよくありません。
下記の5つのポイントに注意しながら丁寧に洗髪をしましょう。
また、頭の汚れを洗い流すよりも、シャンプーやリンスを頭に残らないようにすすぎにも気をつけることが重要です。
② アミノ酸シャンプーを使う(皮脂を落としすぎの場合)
市販のシャンプーや石鹸では洗浄力が強すぎて皮脂を落としすぎている可能性がありますので、皮膚への刺激が弱く、洗浄力が強くないシャンプーに変えることで改善できる可能性があります。
アミノ酸系のシャンプーが洗浄力が優しく適度に皮脂を残せておすすめです。
こちらの記事「市販の人気アミノ酸シャンプーおすすめ20選![2024年ランキング]」で比較をしていますが、比較結果、最も良質でおすすめなのが『haru ”kurokamiスカルプ”』でした。
③ドライヤーを正しく使う
頭皮の乾燥の原因はもしかするとドライヤーの使い方にあるかもしれません。
ドライヤーは非常に高温の熱を出しますので、頭皮の水分を奪い乾燥の原因になります。
下記のポイントを見て、ドライヤーの仕方に問題がないか確認しましょう。
ちなみに、過度に水分を失わせないように8割くらいまで乾かした後は、冷風にして乾かすか、自然に乾燥させることをおすすめします。
頭を乾かさずに長い時間放置してしまったり、乾かし方が不十分だと、雑菌が繁殖して炎症の原因になります。そのため、普段乾かし方が甘いと感じる人はしっかりと乾燥させましょう。
④ 化粧水で保湿をする
アルコール分を含むものや、防腐剤を含むものなど、保湿を狙っていない商品や、皮膚に刺激になる可能性のある成分が含まれた商品がたくさん出回っているので注意が必要です。
化粧水やローションなどで保湿をすすめている人もいますが、私は頭皮の保湿に化粧水はおすすめしていません。
興味がある人はこちらの記事「これだけやれば頭皮の保湿は完璧!プロが教える対策9選」を参考にしながら選んでみましょう。
⑤ 紫外線対策をする
夏場は強い紫外線によって頭皮の細胞が破壊され、皮膚を守る機能が低下し、乾燥の原因になっている場合があります。特に夏場は紫外線対策をして、頭皮を守りましょう。
紫外線対策としては、帽子をかぶる、UVカットのトリートメントなどがあります。なお、帽子をかぶる際は、蒸れて頭皮に悪い影響を及ぼさないように、通気性のいいものを選びましょう。
⑥ 体を動かす
頭皮の乾燥の原因の一つに血行不良がありますが、血は皮膚を作るために必要な栄養素を運ぶ重要な役割を担っています。血行が悪いと皮膚の新陳代謝に必要な栄養が不足するためです。
運動をして筋肉を使うことで、ポンプのように血を循環させることできるので、血行が良くなります。運動不足を感じる人はウォーキングやジョギングなどの軽い運動からでいいので、体を動かすように心がけましょう。
⑦ 食生活を正す
あなたの頭皮の乾燥はもしかすると、食生活の乱れが原因かもしれません。
皮膚を作るのに必要な栄養素が足りていなかったり、高カロリーなものばかりな食事により、血行不良をおこしている可能性がありますので、食生活から改善していく必要があります。
下記の表は皮膚の乾燥に効果が期待できる栄養素と食べ物の表です。
栄養素 | 効果 | 食べ物 |
ビタミンA | 皮膚を維持する、新陳代謝を活発化する | いわし、さば、あなご、うなぎ、卵、牛乳、ピーマン、にんじん |
ビタミンB | 新陳代謝を活発化乾燥による炎症を抑える | 豚肉、レバー、卵、豆類 |
ビタミンC | コラーゲンの合成、抗酸化作用 | レモン、いちご、柿、しいたけ、ピーマン |
ビタミンE | 血行促進、新陳代謝の活発化 | 油、ゴマ、アーモンド、豆類、たらこ |
セラミド | 皮膚を保湿する成分 | 豆類、こんにゃく、ほうれん草、ヨーグルト、ひじき、わかめ |
リノレン酸 | 細胞分裂の補助 | えごま、大豆、小麦、柿 |
亜鉛 | 細胞分裂に必要、新陳代謝の活性化 | 牡蠣、牛肉、たらこ、卵 |
上記の表を参考にしながら、普段の食生活に積極的に取り入れるようにしましょう。
7. 「アトピー性皮膚炎」の原因と対処法
アトピー性皮膚炎が原因で、頭皮にまで炎症が起っている可能性もあります。
子供の頃からアトピーの人は、皮膚科に通っていて何らかの対処をしておられるかと思いますが、アトピー性皮膚炎は大人になってからも発症する可能性のあるものなのです。
7-1. アトピー性皮膚炎の原因
激しいかゆみや、乾燥、丘疹などの症状が起こる「アトピー性皮膚炎」は皮膚のバリア機能が低下し、乾燥している皮膚に、アレルゲンとなる物質の刺激が加わり、過剰に免疫系が反応してしまうことで生じるとされています。
その他、ストレスなどの多様な環境的要因が重なって起こると考えられています。
現在ではには遺伝や免疫疾患と言われていますが、詳しくはまだ解明されていないことも多いです。
7-2. アトピー性皮膚炎の対処法
アトピー性皮膚炎の人はとにかく保湿が重要で、ワセリンなどを塗ったり、ステロイドなどの薬を使うことで治療をしていきます。
ステロイドなどは医師の間でも賛否が分かれますが、症状を抑えるには有効な薬です。
一切薬を使わずに、薬草などで改善する場合もあるようですが、一度は皮膚科に行って診てもらうことをおすすめします。
8.まとめ
頭皮の炎症について詳しく解説してきましたがいかがでしたでしょうか?
頭皮の炎症には以下の5つの種類がありますが、自分で突き止めることは難しいので、なるべく早く皮膚科に行くことをおすすめします。
- 接触性皮膚炎
- アレルギー性皮膚炎
- 脂漏性皮膚炎
- 乾燥性皮膚炎
- アトピー性皮膚炎
頭皮の炎症を放っておくと炎症は悪化し、フケ・薄毛・脱毛・悪臭など、悪循環になるばかりです。炎症の原因に合わせた正しい対策をしましょう。
あなたの頭皮の炎症が少しでも改善に向かうことを心から願っています。