髪が抜けるのは病気のサイン?危険な脱毛症まとめ<図解付き>

髪が抜けるのは病気のサイン?危険な脱毛症まとめ

髪が急に抜けると、病気じゃないかな?と不安になりますよね。

髪が抜けたとしても、多くは体には影響のない脱毛症ですが、中には病気に伴って引き起こされている脱毛である可能性もあります。

そのため、危ないと感じた場合はすぐに病院に行くことをおすすめします。

このページでは育毛アドバイザーとして過去に1000人以上の育毛のお手伝いをしてきた筆者が、抜け毛の原因や簡単な対処法について以下の流れで紹介していきます。

このページを読んでいただければ髪が抜ける原因を知り、あなたの悩みをグッと軽くすることができるでしょう。

1. 髪が抜ける場合に心配した方が良い病気まとめ

髪が抜けたとしても、病気などではなく、体には影響のない脱毛症であることが多いのですが、急に髪が抜けたり、体の不調を感じる場合には注意が必要です。

これから紹介する病気の可能性を感じたら、できれば病院に行って診てもらうことをおすすめします。

  1. 「卵巣嚢腫(らんそうのうしゅ)」
  2. 「甲状腺機能低下症」
  3. 「円形脱毛症」
  4. 「膠原病(こうげんびょう)」
  5. 「梅毒性脱毛症」

これらの病気は基本的には病気が進行した結果、生じるものが多いです。早期発見が治療の要になるので、危ないと感じたらすぐに病院に行きましょう。

1-1. 「卵巣嚢腫(らんそうのうしゅ)

卵巣嚢腫とは卵巣の中にできる腫瘍のことを言います。良性なら問題ありませんが、悪性の場合は卵巣ガンと診断されます。

主に無理なダイエットやストレスなどをきっかけに、女性ホルモンのバランスの乱れることが原因と言われています。

女性ホルモンが乱れることで、頭全体の髪が薄くなる可能性があります。

卵巣嚢腫の可能性がある人と対処法

下記のようなことが続き、抜け毛の量が多い場合は女性ホルモンが乱れ、卵巣嚢腫である可能性がゼロではありませんので、お早めに婦人科などで検査をすることをおすすめします。

  • 不正出血
  • 生理不順
  • 腹痛、腰痛
  • 頻尿、便秘
  • 卵巣のねじれ等

1-2 「甲状腺機能低下症」

甲状腺のイメージ

出典:http://www.minamiakatsuka.com/thyroid

急に抜け毛が増えたという人は甲状腺機能低下症という甲状腺ホルモンが少なくなる病気である可能性があります。

甲状腺はのどぼとけの下辺りにあり、血液中にホルモンを分泌して、代謝を正常に保つ大切な役割を持っています。

甲状腺で分泌される甲状腺ホルモンは、実は、髪の元となる毛母細胞を活性化させる働きがあるとされており、甲状腺ホルモンの量が低下することで、脱毛を引き起こしたり、発毛しなくなるなどの症状が出ることがあります。

下記のような症状が続き、抜け毛がひどい人はすぐに内科の病院にいきましょう。

甲状腺機能低下症の疑いがある人と対処法

甲状腺機能低下症の疑いがある人は下記のような症状が引き起こされている可能性があります。

  • 抜け毛が多い
  • 疲労感、倦怠感が続く
  • 目や口まわりがむくむ
  • 顔が腫れぼったくなった
  • 乾燥や寒さに敏感になる

なお、圧倒的に女性に多く、40代あたりにも多いという特徴があるので当てはまる方は注意してください。

主に、薬の投与や服用で治療をすることで、症状は改善が可能です。

そもそも、甲状腺機能低下症の場合は、脱毛以上に健康にも影響が出るので、もし先ほどお伝えした症状に当てはまる方は、すぐに内科を受診し検査をしましょう。

1-3. 「円形脱毛症」

多発型の円形脱毛症

円形脱毛症とは10円玉サイズの円形に髪が綺麗さっぱり抜け落ちる症状のことをいいますが、この症状が複数箇所もしくは、連結していくつもの箇所に症状がでる場合もあります。きっと見た目でもすぐにわかるでしょう。

稀に症状がかなり重くなる場合もあり、髪の生え際に沿って帯状に症状が進行していく症状を蛇行性脱毛症と呼び、髪が全て抜け落ちる可能性もありす。

主に下記の2つが原因と考えられています。

  • 精神的ストレス
  • 自己免疫疾患

円形脱毛症(蛇行性脱毛症)のイメージ

出典:http://ameblo.jp/hairboothsazi/image-11988085612-13213945037.html

円形脱毛症の対処法

円形の脱毛箇所が狭く1箇所など数が少ない場合は自然治癒することも多いですが、範囲が広がれば広がるほど、症状がかなり重く回復しにくい状態です。

ここまでの症状になる原因はほとんどが自己免疫疾患が原因だと考えられ、自然治癒は難しいでしょう。

円形脱毛症はアトピーや喘息などをもっている人は発症しやすいとも言われています。

心当たりがある方はすぐに皮膚科のある病院に行きましょう。

1-4. 「膠原病(こうげんびょう)」

膠原病とは、関節の腫れやこわばり、痛みの症状などを生じる関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群などの病気を総称したものです。

症状が重い場合は臓器にも障害が現れる場合があり、抜け毛が引き起こされる場合があります。原因は免疫機能の異常と言われていますが、詳しいことは解明されていません。

膠原病の可能性がある人とその対処法

膠原病の場合、下記のような初期症状が起こることが多いです。

  • 関節の腫れ、こわばり、痛み
  • 発熱・疲労感、体重の減少、
  • 筋力の低下、筋肉痛
  • 紅斑や紫斑
  • レイノー現象(寒さに当たると指先が白くなる)

上記のような症状が続き、髪が抜ける症状もある場合は内科などの医師に相談して血液検査などの検査を受けましょう。

治療にはステロイドの薬を使って治療をすることができますが、完治が難しい病気です。

1-5. 「梅毒性脱毛症」

梅毒とは、性行為によって梅毒トレポネーマという菌が原因で感染する病気で、最終的には全身の皮膚が溶けるように破壊され、脳に菌が感染すると死に至る恐ろしい病気です。

この病気に感染してからおよそ3ヶ月目以降に髪が抜ける症状が出ることがあります。

梅毒性脱毛症の可能性がある人とその対処法

下記に当てはまる人は梅毒に感染している可能性があります。

  • 性器、口、肛門、手指に無痛のしこりができる
  • リンパ節の腫れ(無痛)

現代では、潜伏期間のうちに発見して治療をすることで改善が可能ですが、完治とまではいきません。

梅毒は感染してから4週間が経ったあと血液検査が可能になります。初期症状は感染後3週間ほど経ってからなので、タイミングをみてなるべく早く病院に行きましょう。

全国の病院や保健所などで検査が可能です。男性なら泌尿器科女性なら産婦人科です。

2. 重篤な病気ではないけど髪が抜ける「脱毛症」まとめ

重篤な病気ではなくても、髪が抜けてしまう症状が出る場合があります。具体的にどんなものがあるのか?

どのように対処をすれば良いのかについて解説していきます。

  • 「眼精疲労」
  • 「牽引性(けんいんせい)脱毛症」
  • 「男性型脱毛症(AGA)」
  • 「脂漏性(しろうせい)脱毛症」
  • 「産後脱毛症」
  • 「鉄欠乏性貧血」
  • 「乳児の脱毛症」

2-1. 「眼精疲労」

近年、スマホやPCなどの画面を見る時間が圧倒的に増えており、「目の疲れ」を慢性的に感じている方が非常に多くいらしゃいます。

デスクワークやスマホの使用などで、長時間画面を見て目を酷使していると、目の周りの筋肉が凝り固まり、周りの筋肉や皮膚への血行が悪くなります。

血液は髪が育つために必要な栄養を届ける重要な役割を担っているため、血行が悪くなり必要な栄養が足りないと、髪が抜けることがあります。

眼精疲労の対処法

現代の生活は通信機器なしにはできないほどになっているため、目を使いすぎないようにと言っても中々難しいと思います。

対処法を紹介しますので、眼精疲労を感じる人は下記を参考に試してみてください。

  • 目を休ませる
  • 湯船に浸かる(温めることで血行促進)
  • 頭皮マッサージをする(血行促進)
  • 運動をする(血行促進)

2-2. 「牽引性(けんいんせい)脱毛症」

牽引性(けんいんせい)脱毛症とは、髪が引っ張られたり、髪の重さで髪が引っ張られ分け目の毛根に負担がかかり、髪が抜けてしまう症状です。

長時間髪に負担を与えられることが抜け毛の原因となります。

牽引性脱毛症の対処法

牽引性脱毛症がの場合、毛根に負担がかかっていることが原因なので、髪への負担を取り除くことで、改善できる可能性が高いです。

毎日同じ髪型を長時間続けることをさけ、結ぶ位置を変えたり、結ばない日を作るなど、髪に負担がかからないように気をつけましょう。

髪の結び方の例

出典:http://blog.hakofo.com/?p=1127

2-3. 「男性型脱毛症(AGA)」

男性型脱毛症(AGA)と言われる症状で一般的に言われる「ハゲ」と同じです。女性の場合、女性男性型脱毛症(FAGA)と呼ばれ、男性の薄毛と区別されています。

上記のイラストのような型に薄くなってきたり、抜け毛が増えた、抜けた髪を診てみると細い、短い、毛根の形がおかしいなどの自覚はありませんか?心当たりがある方はもしかするとAGA(FAGA)かもしれません。

男性の脱毛症状のほとんどはこのAGAなので、健康に問題がない人はAGA(男性型脱毛症)と判断してもよいかもしれません。

女性の場合

女性のFAGAの症状は、男性のように部分的に薄くなることはなく、頭全体の髪が薄くなっていきます。これまでの紹介した症状に心当たりがなければ、FAGAである確率が高いです。

男性型脱毛症(AGA)の対処法

AGA(FAGA)は生活習慣、食生活、頭皮環境、遺伝など、様々なことが原因でホルモンに影響して発症するため、多面的に対策をする必要があります。

具体的には以下の5つのような日常の行動があなたの薄毛を改善に導いてくれるでしょう。

解決策主な行動
①生活習慣の改善
  • 睡眠の量と質の向上
  • 有酸素運動、難しければ体を定期的に動かし汗をかく
  • ストレスの発散方法を見つける
②食生活の改善
  • 「イソフラボン」「亜鉛」など髪に良い栄養素を摂る
  • 「ごま」と「納豆」を食べる
  • 「油分」「塩分」「食品添加物」を控える
  • 栄養のバランスに気をつける
③頭皮ケア
  • 頭皮に優しいシャンプーを選ぶ
  • 頭皮に優しい洗髪の方法を実践する
④育毛剤
  • 育毛・発毛効果が期待できる有効成分が配合されたものを使う
⑤治療
  • プロペシアやミノキシジルなどのAGA治療薬を使った治療

男性型脱毛症(AGA)の症状を改善したい場合は、地道にコツコツと日々の生活習慣を見直すか、育毛剤や治療薬で治療をすることになるでしょう。

男性のAGAの対策と女性のFAGAの対策は違いがあります。また、治療薬などの使える薬も異なるので、下記に男性、女性それぞれの記事で解説しているので、参考に対策をしてみてください。

2-4. 「脂漏性(しろうせい)脱毛症」

脂漏性脱毛症とは脂漏性皮膚炎が原因で起こる脱毛症のことで、過剰に分泌された皮脂が毛穴につまり、炎症を引き起こします。そしてその激しい炎症によって髪が抜けてしまう症状です。

油っぽいものばかり食べたり、普段から食べる量が多く肥満気味の人は皮脂量がどうしても多くなってしまいます。また、睡眠不足やストレスなどもホルモンバランスを崩す原因となり皮脂の分泌量に影響を及ぼします。

脂漏性皮膚炎の対処法

脂漏性皮膚炎は主に皮脂が原因なので、皮脂を取り除いたり、塗り薬などを使って炎症を抑えることで症状は改善する可能性がありますが、完治が難しい症状です。

皮脂を洗い流し過ぎても、足りなくなった皮脂を補おうと、さらに皮脂が分泌されるようになるなど、悪循環に陥ってしまうこともありますので、皮脂は適度に落としながら、なるべく皮脂の分泌が過剰にならないように生活習慣や食生活のケアをしましょう。

  • 頭は洗い過ぎない
  • シャンプーを刺激の少ないアミノ酸シャンプーに変える
  • 食べ過ぎに気をつける

心配な方は皮膚科に行って相談してみましょう。

2-5. 「産後脱毛症」

妊娠や出産を終えた女性は薄毛に悩む方が多いのです。

通常、髪は生えて、成長し、抜けるという一定のサイクルで生え変わっていますが、妊娠により一時的に女性ホルモンが増えることで、髪の毛が抜けにくくなります。

そして、出産すると女性ホルモンが一気に減少し、妊娠中に抜けなかった髪が一気に抜けてしまうため、髪が薄くなってしまいます。

出産後1年以内に元どおりになる人がほとんどなので、気にしすぎないようにしましょう。もし、どうしても心配な人は婦人科で相談してみましょう。

2-6. 「鉄欠乏性貧血」

女性に多いのが、鉄欠乏性貧血です。

女性は毎月、生理によって大量の血液を出します。それによって貧血になってしまう人も多いですが、この貧血が原因で、髪が抜けたり、細くなることで髪全体のボリュームがなくなってしまうことがあります。

鉄欠乏性貧血の疑いがある人とその対処法

鉄欠乏性貧血の疑いがある人は下記のような症状が出ている可能性があります。

  • 倦怠感
  • めまいや吐き気
  • 動機・息切れ

鉄欠乏性貧血は食事によって、鉄分を摂取することがすぐにできる対処法です。具体的に摂ると良い食材を紹介しますので、下記を参考に摂取しましょう。

  • 豚レバー
  • 鶏レバー
  • ビーフジャーキー
  • 卵黄
  • 煮干し
  • 干しえび
  • かつお節

婦人科か消化器科に行きましょう。

ネイチャーメイド「鉄」のイメージ

Amazonなどでも400円程度で、鉄を取れるサプリ「大塚製薬 ネイチャーメイド 鉄(アイアン) 80粒」がありますので、手軽に鉄を補うことができます。

2-7. 「乳幼児の脱毛 」

新生児生理的脱毛、乳児期後頭部脱毛など、生まれて1年以内の赤ちゃんの髪が抜ける症状があります。

お腹の中にいる時に生えた髪が、一斉に生え変わりの時期に来て抜けてしまったり、体が良く動くようになった時期に、ベットとの摩擦が原因で髪が抜けてしまう場合があります。

これらの脱毛は、生理現象なので心配になる気持ちは十分にわかりますが、赤ちゃんの成長した証として安心してくださいね。

3. さいごに

髪が抜ける症状や病気について詳しく紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?

健康にも影響が出るほどの病気が原因で髪が抜ける場合もあれば、髪が抜けるだけの軽い症状のものまであります。

もし、少しでも不安な要素があるのであれば、必ず病院に行きましょう。

あなたの悩みが軽くなることを心から祈っています。